CatWalkシステムによる歩行解析

CatWalkシステムによる歩行解析

ヒトにおいて脳梗塞、下肢虚血、関節炎など、正常な歩行が困難になる疾患は少なくありません。病態モデル動物についても同様で、歩行解析は病態に対する薬効評価に有効な手段のひとつです。弊社が導入している歩行解析装置CatWalkはマウスやラットを、圧力を感知すると発光する特殊なガラス上を歩行させ、その様子を下部に設置されたカメラが捕捉、同時にソフトウェアが解析を行い四肢の接地面積や肢の振り幅、速度など様々なパラメータを測定することができます。関節炎モデルや一般症状に変化が現れる中枢神経系の疾患モデルの薬効評価を中心に利用されます。また最近ではクライアント様がお持ちの遺伝子改変動物を受け入れし、これらの薬効評価を行うケースもあります。

動物をグラスフロア(A)の上に置き室内の照明を暗くして、ウォークウェイ内(黄色矢印)を動物が歩くと、グラスフロア下のカメラ(B)を介して、赤い背景上を動物(黒い影)と緑色に発光する足跡が移動していく動画が得られます。
CatWalkには様々な解析パラメータがありますが、次の解析項目がよく用いられます。

Max Contact Intensity:ある肢の足跡の接地面積が最大になったときの相対的光学的輝度。痛みにより減少すると考えられます。

Max Contact Area(cm2):ある肢の足跡の接地面積が最大となったときの値。痛みにより減少すると考えられます。

Swing(秒):ある肢が単独接地していない時間(遊脚時間)。痛みや運動能の低下により長くなると考えられます。

Single Stance(秒):ある肢が単独接地している時間(立脚時間)。痛みにより短くなると考えられます。

Duty Cycle(%):ある肢の歩行周期において、その足跡が接地している合計の時間(Stand)の割合を%表示したもので、Stand /(Stand + Swing)×100により算出されます。痛みにより減少すると考えられます。

Swing Speed(cm/秒):ある肢を動かす速さで、Stride Length / Swingにより算出されます。痛みや運動能の低下により遅くなると考えられます。

Stride Length(cm):ある肢の歩幅。痛みや運動能の低下により短くなると考えられます。

動物をグラスフロア(A)の上に置き室内の照明を暗くして、ウォークウェイ内(黄色矢印)を動物が歩くと、グラスフロア下のカメラ(B)を介して、赤い背景上を動物(黒い影)と緑色に発光する足跡が移動していく動画が得られます。
CatWalkには様々な解析パラメータがありますが、次の解析項目がよく用いられます。

Max Contact Intensity:ある肢の足跡の接地面積が最大になったときの相対的光学的輝度。痛みにより減少すると考えられます。

Max Contact Area(cm2):ある肢の足跡の接地面積が最大となったときの値。痛みにより減少すると考えられます。

Swing(秒):ある肢が単独接地していない時間(遊脚時間)。痛みや運動能の低下により長くなると考えられます。

Single Stance(秒):ある肢が単独接地している時間(立脚時間)。痛みにより短くなると考えられます。

Duty Cycle(%):ある肢の歩行周期において、その足跡が接地している合計の時間(Stand)の割合を%表示したもので、Stand /(Stand + Swing)×100により算出されます。痛みにより減少すると考えられます。

Swing Speed(cm/秒):ある肢を動かす速さで、Stride Length / Swingにより算出されます。痛みや運動能の低下により遅くなると考えられます。

Stride Length(cm):ある肢の歩幅。痛みや運動能の低下により短くなると考えられます。

<h4>マウス下肢虚血モデルにおける評価例</h4>
右後肢(処置側)の歩行解析値を、左後肢(無処置側)に対する百分率で示しています。
傷害肢における痛みや運動能低下により生じる歩行障害が、傷害肢のMax Contact Area及びMax Contact Intensityの減少、Swingの延長、Single Stanceの短縮、Duty Cycle及びSwing Speedの減少として捉えられたと考えられます。

マウス下肢虚血モデルにおける評価例


右後肢(処置側)の歩行解析値を、左後肢(無処置側)に対する百分率で示しています。
傷害肢における痛みや運動能低下により生じる歩行障害が、傷害肢のMax Contact Area及びMax Contact Intensityの減少、Swingの延長、Single Stanceの短縮、Duty Cycle及びSwing Speedの減少として捉えられたと考えられます。

<h4>ラットモノヨード誘発関節炎モデルにおける評価例</h4>
モノヨード誘発関節炎モデルは変形性膝関節症モデルの薬効評価に用いられます。
前述の下肢虚血モデルと同様に傷害肢における痛みや運動能低下により生じる歩行障害が捉えられていると考えられます。

ラットモノヨード誘発関節炎モデルにおける評価例


モノヨード誘発関節炎モデルは変形性膝関節症モデルの薬効評価に用いられます。
前述の下肢虚血モデルと同様に傷害肢における痛みや運動能低下により生じる歩行障害が捉えられていると考えられます。

<h4>ラット6-OHDA誘発パーキンソン病モデルにおけるモデル作製5週後の評価例</h4>
神経毒である6-OHDAが脳黒質と線条体のドパミン神経細胞を破壊(細胞死)することで病態を惹起する本モデルはパーキンソン病モデルのスタンダードです。四肢の荷重については正常動物と差がありませんがBOS(左右後肢が接地したときの両肢の間隔)は増加が確認されます。パーキンソン病による歩行障害、不安定な歩行を補うために増加していると考えられます。

ラット6-OHDA誘発パーキンソン病モデルにおけるモデル作製5週後の評価例


神経毒である6-OHDAが脳黒質と線条体のドパミン神経細胞を破壊(細胞死)することで病態を惹起する本モデルはパーキンソン病モデルのスタンダードです。四肢の荷重については正常動物と差がありませんがBOS(左右後肢が接地したときの両肢の間隔)は増加が確認されます。パーキンソン病による歩行障害、不安定な歩行を補うために増加していると考えられます。