睡眠解析研究用プログラム (SleepSign)を用いた睡眠覚醒周期

睡眠覚醒評価を行う場合、肉眼的な観察だけで詳細な睡眠覚醒を評価する事は困難です。客観的な睡眠覚醒評価として脳波の測定はヒトで広く実施されていますが、実験動物についても同様の測定が可能です。睡眠段階を5段階に分けて解析することで、評価化合物投与後の睡眠段階がどのステージであるのかを経時的に観察することができます。
また睡眠覚醒だけでなく、棘波に代表されるてんかん脳波の検出とその際の一般状態観察を同時に評価することでてんかん発作を評価する事も可能です。日精バイリス株式会社では核酸医薬や抗体医薬の評価に対応する為、マウスにおける脳波測定についても取り組んでいます。


測定方法
予め皮質前頭葉、海馬および頚部皮下(筋電図)に電極を埋設し測定を行います。検出される脳波は脳波計を介してパソコンへ取り込み、睡眠解析研究用プログラムを用いて睡眠-覚醒を解析(覚醒期、安静期、徐波軽睡眠期、徐波深睡眠期、速波睡眠期の五段階に分類)します。測定は非拘束下で行い、明期と暗期それぞれの測定が可能です。

暗期におけるSuvorexant(睡眠導入剤)投与時のマウス脳波
齧歯類において暗期は活動期にあたります。Suvorexantの投与により覚醒期の減少、安静期、徐波軽睡眠、徐波深睡眠及び速波睡眠の増加が確認されます。